平野甲賀氏曰く、今回、彼が残した膨大な作品を整理する中、とくに気づいたことは、漫画のタッチの新鮮さ、描き文字のすばらしさ。本展ではスライド、ライトテーブルで作品を映像としても展覧。ひとつのモチーフを繰り返し描いて別の背景と組み合わせていく独特の手法や、鉛筆画を何度も描き分け、コピーを重ねながら墨色を色濃くしていく、或いは描いたイラストを切り分け、別の絵の上にコラージュを重ねていくといった創作過程についても紹介。
ID
ddd_229
展覧会名
小島武展 夢ひとつ
開催期間
2021年07月24日–2021年09月25日
展覧会タイプ
ddd企画展
会場
ddd太秦 (京都)
作家・団体
ポスターデザイン
タイトルロゴ
展覧会紹介
YouTube配信- 出演者: 平野 公子
今回の展覧会の企画・監修者である平野公子氏が小島武氏の魅力について語る。69歳で亡くなるまで膨大な量の絵を描き続けたイラストレーター。但し、その作風はこれが小島武だという固まったモノはなく、多様性が拡がっている。風の流れの様に、点が線となり面となっていく「サヨナラシリーズ」は、劇作家の別役実氏の本に使われていた。表紙では鮮やかな、これが小島武の“赤”という色が使われている。またPC以前の時代に鉛筆とコピー用紙を多用したのも小島武の特徴的技法。1992年から雑誌『エスクァイヤ』に連載された「武蔵野アマルコルド」にはこの手法が用いられたカットが使われている。また、沢木耕太郎氏の小説は、装丁:平野甲賀、イラスト:小島武による本が多数存在。その中で1点だけ飛行機が飛び立つ後ろ姿が使われた原画が見つかっておらず、是非とも見つけ出したいと語る。是非、過去にない規模の作品を目の当たりにする事ができる展覧会を見に来て、小島武の魅力に触れて欲しい、と締め括った。
小島武展 夢ひとつ
会場写真
展示記録・撮影: 吉田 亮人