シュミット氏の初来日は1966年。一度はヨーロッパへ戻るが、1977年に再び来日。以来、情報伝達とフリーフォルムという二元性と向き合いつつデザイン活動を行い、商業作品も個人的な作品も、アプローチは違えど分け隔てなく取り組む。本展では、氏の有名無名の作品やその制作プロセスを、彼がその探求の中で出会った人々の面影と共に辿った。最後までごく個人的でありつづけた、人間味あふれる彼のタイポグラフィの軌跡を展覧。
ID
ddd_228
展覧会名
ヘルムート シュミット タイポグラフィ:トライ トライ トライ
開催期間
2021年04月03日–2021年07月10日
展覧会タイプ
ddd企画展
会場
ddd太秦 (京都)
作家・団体
ポスターデザイン
協力
展示デザイン
展覧会紹介
Youtube配信- 出演者: ニコール シュミット、阿部 宏史、長谷川 哲也
今回の展示企画を担当した阿部氏、ニコール氏と展示デザインを担当した長谷川氏が、それぞれの立場から、どのように回顧展としての展覧会を具体化していったかについて語る。阿部氏は初めに膨大なシュミット氏の作品の調査を行い、才能ではなく努力の人であったと語る。ニコール氏からは、彼がよく口にした言葉から展覧会タイトルが決まったと言う。長谷川氏は、時系列に多くの作品、そして制作の試行錯誤の痕跡を辿れる様にスケッチなども含めて展示し、世界各国で活躍した時代時代をオーバーラップさせて展示する為、軽量なパンチングメタルのパネルを採用した経緯を説明。またシュミット氏が様々な人との繋がりの中で作品を制作したことが伝わる様、スナップ写真や書簡も適宜配置した。ニコール氏は、展覧会がシュミット氏を巡る一つの物語となったと締め括った。
ddd ヘルムート シュミット タイポグラフィ: トライ トライ トライ 展覧会紹介
「ヘルムート シュミットについて」
YouTube配信生前交流のあった著名な関係者が語る。白井氏は、シュミット氏の著作は自分への道標と語る。ラース氏はシュミット氏の著作『バーゼルへの道』は『ルーダーへの道』だと言う。トイフェル氏は『タイポグラフィ・トゥデイ』を全てコピーしたエピソードを披露。阿部氏は展覧会企画を通じ、シュミット氏は“筋”のある人と評す。ゲイコ氏はシュミット氏の評価はミニマリズムと「目で見る音楽」を作曲した事だとする。室賀氏は、1980年代の『タイポグラフィ・トゥデイ』が未だカッコいいのはなぜ?という疑問がタイポグラフィへの興味の入口と語る。ヴィクター氏は、シュミット氏が理解されていなかったから、知る為のプロジェクトを大学で開始。ニコール氏は、ルーダーの『タイポグラフィ』日本語版デザイン制作途中で父が亡くなったが、最初にステップを示してくれたので最後まで取組めたと言う。原氏は、真っ白な紙にインクを置く事の緊張感を教えてくれたのがシュミット氏の仕事だと語る。
ddd ヘルムート シュミット タイポグラフィ: トライ トライ トライ「ヘルムートシュミットについて / on Helmut Schmid」
会場写真
展示記録・撮影: 吉田 亮人