1985年ポンピドゥー・センターで開催された哲学者ジャン=フランソワ・リオタール監修の「非物質的なもの」という展覧会の30周年を記念誌「物質性と非物質性」をテーマに「物質的」世界と「非物質的」世界の出会いと対峙から生まれる、新たな創造とデザインの多様な形を探求した。
ID
ddd_210
展覧会名
物質性ー非物質性 デザイン&イノベーション
開催期間
2016年09月08日–2016年10月29日
展覧会タイプ
ddd企画展
会場
ddd太秦 (京都)
ポスターデザイン
展示デザイン
キュレーター
2016年09月08日
ギャラリーツアー
京都dddギャラリー- 出演者: ジャン=ルイ ボワシエ、ミュリエル・ラディック、太刀川 瑛弼
ナビゲーターはミュリエル女史。まず女史が本展コンセプトを紹介。1985年ポンピドゥー・センターで開催の「非物質的なもの」展へのオマージュとして、全体構成がミューメディア、感覚能力、3D、データベースの4ジャンルと説明。展示構成の太刀川氏より、個別に展示しながらまとまって見える様、金属光沢を帯びた網戸のレイヤーにより外からは区別され内からは反射せず会場との一体感を出したとの事。ボワシエ氏より「非物質的なもの」展は、哲学者レオタールが主導する事により「新しい素材とクリエーション」という当初タイトルから「非物質的なもの」となり、通常の展覧会ではなくデモを意味する「マニフェスタシオン」と位置付けられ、見学者はイヤホンにより孤独の中で参加する事になったと解説。最後に各出展作家が個々の作品を開設した。
2016年10月01日
ニュイ・ブランシェ関連イベント
京都dddギャラリー「ニュイ・ブランシュ(白夜祭)」は、パリ市が毎秋行う一夜限りの現代アートの祭典。パリの姉妹都市・京都では、例年日仏の現代アートを楽しめる「ニュイ・ブランシュKYOTO」を市内各所で開催している。京都dddギャラリーでも関連してイベントを開催した。ddd前の通路と併設の文化遺産ギャラリーも利用して、softpadによるスクリーン映像と音楽がシンクロした、とても「クールな」シンセサイザーによるサウンドパフォーマンスが行われる中、ddd会場入口に設置したiPhoneのカメラが入場する人物を認識する様子をモニター映像に映し出すテルノ女子によるパフォーマンス、京都に留学経験のあるアザンブール氏による自身の作品解説、そして参加者と密接な議論を交わすセミナー形式の太刀川氏によるギャラリートークなど、非常に盛り沢山な内容となった。
2016年09月09日
シンポジウム「日本のプリズムで見た非物質的なもの」
アンスティチュ・フランセ関西- 出演者: ジャン=ルイ ボワシエ、藤幡 正樹、ミュリエル・ラディック、石田 英敬、ブノア ジャケ、キム ヒョンスク、大澤 啓、小崎 哲哉
- 主催: Labex Arts-H2H
- 共催: アンスティチュ・フランセ関西、EFEO、公益財団法人DNP文化振興財団
前半はミュリエル女史より基調講演となる連歌等を例とした日本人に息づく非物質的なものについて解説。続いて「禅」をテーマとしたキム女史によるプレゼン、インターメディア・テク等を事例とした大澤氏のプレゼンがあり、ジャケ氏を交えた3人でのディスカッションとなった。後半は小崎氏の司会で、ボアシエ氏による「非物質的なもの」展の紹介。石田氏による「夢うつつ」をテーマとしたプレゼン、そしてオーストリアからネットで参加の藤幡氏による現地案内があり、4名によるディスカッションとなった。
会場写真
展示記録・撮影: 吉田 亮人