gggからの巡回。従来ブラックボックス化されている、デザインにおける抽象的な工程を明確に言語化することで、グラフィックデザインの制作における創造性を浮き彫りにする試み。グラフィックデザイン界のレジェンドである田中一光、福田繁雄、永井一正、横尾忠則の四氏が手がけた膨大なポスターを徹底的に解析し、「配色」「構成」「感性」という3要素及び、それらを掛け合わせたグラフィックにより、従来のデザインフローとは違う新たなグラフィックデザインのプロセス、グラフィックデザインの「死角」に迫った。京都では「感情」ブーズの映像へのコンテンツ追加と最終的なグラフィックデザインへのブラッシュアップも行われた。
ID
ddd_208
展覧会名
ライゾマティクス グラフィックデザインの死角
開催期間
2016年05月26日–2016年07月09日
展覧会タイプ
gggからdddへの巡回展
会場
ddd太秦 (京都)
作家・団体
ポスターデザイン
2016年06月17日
ギャラリートーク 1
アクティブスタジオ(グランフロント大阪 ナレッジキャピタル北館2F)大阪梅田で行われたギャラリートーク。そもそもオンスクリーンでデジタルの仕事をしているライゾマティクスが、なぜggg、dddでの展覧会を引き受けたのかに始まり、ここで行うからにはグラフィックデザインに落とし込むべきとの方針が事前の決まったという。ライターの齋藤女史による素人目線での司会により、「配色」、「構成」、「感性」の3ブースでの展示に関わった4人がそれぞれどのような作業を分担したかがスクリーンを使って分かりやすく解説された。田中一光、永井一正、福田繁雄、横尾忠則というグラフィックデザイン界のレジェンド4名の膨大なB全ポスターデータを解析し表現に落とし込むことにより、今の時代に過去の作品を知ることで、未来に繋げて行く意義を伝える展覧会となったと語った。
2016年06月24日
ギャラリートーク 2
京都芸術センター講堂京都芸術センターとの共催。ライゾマティクス代表の齋藤氏がファシリテーターとなり、古平氏とライゾマティクス木村氏が応える形で進行。齋藤氏からライゾマティクスが、「アート+コマーシャル」両方に取り組んでいる特徴を紹介。続いて展覧会について木村氏が解説。古平氏は解析した4作家は既に古き良き時代のデザイナーと指摘。齋藤氏より、今はグラフィックデザイン、デジタルデザイン、建築デザインの領域が重なりつつあり、その中でグラフィックデザインが果たす役割とは?と問題提起。古平氏は自身の作品を引用しつつデジタル/アナログに拘らない自身のデザイン流儀を紹介。最後に今でもグラフィックデザインのプロは存在するが、仕事は変化しており、これからはデザイン領域の垣根を越えた交流が重要であり、本展の開催は有意義だったと締め括った。
会場写真
展示記録・撮影: 吉田 亮人