日本美術の伝統と現代デザインをつなぐキーワードとして、美術史家・山下裕二が提唱してきた「血肉化」という概念。これに共鳴した浅葉により、展覧会タイトルが決定。強烈な好奇心と向上心で古今東西、高尚なものからサブカル、ポップカルチャーまで、あらゆる事物を見聞きし咀嚼して、アサバデザインとして昇華させてきた作品群を過去の作品の関連版下や原稿素材によるコラージュパネルや膨大なページからなる「浅葉日記」等とともに紹介する、非常に濃密な展示空間が展開された。
ID
ddd_206
展覧会名
浅葉克己個展「アサバの血肉化」
開催期間
2016年01月15日–2016年03月19日
展覧会タイプ
gggからdddへの巡回展
会場
ddd太秦 (京都)
作家・団体
2016年01月15日
ギャラリートーク
京都dddギャラリーゲストに美術史家の山下裕二氏をお招きした。山下氏が日本美術の伝統と現代のデザインをつなぐキーワードとして「血肉化」という概念を提唱し、その言葉に共鳴した浅葉氏が今回の展覧会のタイトルにしたという関係の2人。一緒にトークをするのも数回目となり息の合った楽しいトークとなった。「日本美術だけではなく、浅葉さんは古今東西のあらゆるものを血肉化されてますよね」との言葉通り、世界の文字を求めての旅や北朝鮮への卓球ツアー、東京オリンピックや白川静博士に赤瀬川原平の老人力と話題は多方面へと広がった。もちろん今回展示されている膨大な量の日記や新作の版下コラージュについてや、代表的なポスターや広告作品の制作裏話などについてもたっぷりと語った。文字や書道、手を動かすことの大切さにも触れ、最後はもちろん浅葉氏のトーク恒例の、客席へ向けての卓球の球打ちで賑やかに終了した。
会場写真
展示記録・撮影: 吉田 亮人